【お客様からのご質問】柚子、かぼす、すだちの違い【しげよし】

2017/10/23

 
「掻敷(かいしき)」「つまもの」といった「あしらい」についてご紹介したところ、お客様から「柚子、かぼす、すだちはどう違うのですか?」というご質問を頂戴いたしました。今回は、ゆず、かぼす、すだちの違いについてご紹介いたします
 
■すべてミカン科の果実です
 
柚子は、ミカン科の常緑小高木になる果実で、柑橘類のひとつです。初夏に花を咲かせ、青玉と呼ばれる青い実は7〜8月に収穫されます。青玉は、「柚子胡椒」の原料となります。柚子胡椒は、細かく刻んだ柚子の表皮に唐辛子と塩をすり合わせた風味豊かな香辛料で、九州の名産品です。ピリッと辛みがきいていますが、ほんのりと柚子の香りがして後味が爽やか。体がぽかぽかと温まるので、湯豆腐や鍋、うどんなどによく合います。柚子は10月になると黄色く熟した柚子の収穫が始まり、12月くらいまでが旬です。
かぼすは、ミカン科の常緑広葉樹になる果実で、柑橘類のひとつです。大分県の特産品として知られ、夏から秋にかけて収穫されます。初夏から7月頃まではハウス栽培されたかぼすが出回り、8月から10月にかけてが畑で育てられたかぼすの旬となります。
すだちはミカン科の常緑低木になる果実で、徳島県の特産品として知られます。5月〜6月頃に純白の花を咲かせ、果皮がまだ青いうちに収穫して出荷します。3月〜8月はハウス栽培されたすだちが出回り、8月から10月にかけてが、畑で育てられたすだちの旬となります。すだちとかぼすでは、すだちのほうが実が小さいです。
 
■柚子は皮だけをお料理に使います
 
柚子は中国揚子江上流域が原産地とされていて、唐の時に遣唐使が持ち帰ったとされています。奈良時代に、薬用などの用途で栽培が始まりました。柑橘類の中で最も耐寒性があり、比較的寒いところでも実がなることから、東北以南で広く栽培されています。現在では、全国のゆず生産量の47.3%が高知県、17.5%が徳島県です(平成27年産市町村別果樹生産量・高知県の園芸 高知県庁調べ)。
基本的には、柚子は皮だけをお料理に使います。汁や実は、酸味が強く独特の苦みがあるので、お料理にはあまり使いません。
柚子の皮を使った代表的なお料理は、「幽庵焼き」「幽庵蒸し」です。幽庵焼きは、甘鯛や鰆、梭子魚(かます)などの魚の切り身や鶏肉などを、「幽庵地」に数日間漬け込んで汁気を切ってから焼いたものです。幽庵地に浸けて蒸したものを「幽庵蒸し」といいます。幽庵地は醤油、酒、ミリンを合わせたもので、柚子の輪切りを加えます。江戸時代の茶人で、食通でもあった北村祐庵(堅田幽庵)が考案したと伝えられることから「幽庵焼き」といいます。
柑橘類の皮には香りと殺菌効果があるので、あしらいによく使われます。飾り切りにした皮をお吸い物やお刺身などの添えるのがポピュラーです。また、皮をジャムやお茶などに加工しても美味しいです。
実はビタミンCたっぷりなので、ストッキングなどに入れてお風呂に投入し、香りや美容効果を楽しむ「ゆず湯」にすることが多いようです。
また、最近では、柚子の果皮を圧搾して精油(エッセンシャルオイル)にし、アロマテラピーなどに使うこともあります。リモネン、γ-テルピネンなどが豊富で香りがとても良いので、心を和ませたり、血行を促進したりする効能があるといわれています。
 
■かぼすとすだちは、皮と果汁をお料理に使います
 
 かぼすの果汁はほどよい酸味で良い香りがするので、お刺身や焼き魚などの薬味として使います。また、ポン酢の原料にしたり、酢の物にしたりと利用価値は無限大。天ぷらと合わせてもさっぱりしますし、お味噌汁や麺類、焼酎などにかぼすの果汁を垂らしても美味しくお召し上がりいただけます。大分県では、かぼすを加えた飼料のみを与えたブリやヒラメを「かぼすブリ」「かぼすヒラメ」として売り出しています。かぼすに含まれるボリフェノールの効果で、くさみが抑えられ、色が鮮やかになるそうです。
 すだちは、秋刀魚や松茸と旬が重なることから「出会いもの」(同じ季節に出回る旬のもので、料理の材料として相性が良い食材)としてよく一緒に使われます。爽やかな酸味の果汁は、脂が乗った秋刀魚や、香り高い松茸ととてもよく合います。かぼすもすだちも、皮はすりおろして薬味などに使います。
 
柚子、かぼす、は料理をワンランクアップさせてくれるような、上品な香りです。香りでも、ぜひお料理をお楽しみいただければ幸いです。
ご期待以上の品質をご提供させていただくために、これからもしげよしはおもてなしの心を追求して参ります。お引き立てのほど、どうぞよろしくお願いいたします。