【食材のこだわり】柿について【しげよし】

2018/10/11

 
今年も、「食欲の秋」が到来致しました。食欲をそそる美味しい沢山の食材が旬を迎えました。
秋を代表する味覚には多くのものがありますが、果物といえば、「柿」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
秋の味覚としてお馴染みの柿ですが、知っているようで知らないことが、意外とあるかもしれません。今回は、そんな視点から、柿についてご紹介致します。
 

■柿の種類
 
柿は中国や日本など東アジアが原産とする説が有力で、海外の学名をみると「kaki」と表記されていることから、日本の果物として知られていることがわかります。

柿の品種は、なんと1000種近くもあるといわれています。
大きく分けると、甘柿と渋柿に分けられますが、1000種のうちのほとんどが渋柿に属します。数多い品種の中でも、甘柿の種類は非常に少なく、20種類足らずしかありません。
甘柿の代表は、おなじみの「富有柿」で、約80%を占めています。
富有柿は、果肉が柔らかいのが特徴ですね。
富有柿に対して、硬めがお好きな方には「次郎柿」がおなじみではないでしょうか。富有柿と次郎柿は柿の代表格でよく比較されたりしますね。かつては富有柿と肩を並べるほど収穫されていた次郎柿ですが、今では3%くらいと少なくなりました。
「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べる」などといわれますが、どちらがお好みでしょうか。
 

■甘柿と渋柿
 
柿は、甘柿と渋柿に分けられますが、その違いは何からくるのでしょうか。
その違いは、「渋み」の原因であるタンニン(シブオールとう名前がついています)の状態からきます。
本来は、どちらも同じくらい含まれているにもかかわらず、成長とともに、甘柿の場合は水に溶けない状態になり、口の中で溶けないので、渋みを感じなくなります。
よく実の中に黒い斑点が見られますね。これは、「渋み」の原因・シブオールが固まったものです。
渋柿は、収穫の後、渋抜きといわれる作業がなされ、店頭に出されます。渋抜きの方法はいくつかありますが、炭酸ガスやアルコールなどを使用して処理することで、水に溶けるタンニンを水に溶けないタンニンに変化させることで、甘くします。
干し柿は、天日干しで甘くなります。これは、じっくり干すことにより、水分が抜けてタンニンが不溶化して固まり、渋みを感じなくなります。
こうしてできた甘い渋柿は、甘柿とはまた違った芳醇な甘さで人気があります。
 

■美味しい柿の見分け方
 
柿を選ぶ時は、へた、外見、重みにポイントがあります。
ヘタは、果実に張りつくように隙間がないものを選びます。隙間があると虫が入り込んでいる可能性があります。4枚揃っていて、なるべく緑色が残っているものが良いです。
外見は、全体に濃いオレンジに色づいて、形が整っているものを選びます。艶に関しては、品種や状態によるので、一概には言えませんが、白く粉を吹いたようになっているものはブルームと言い、ブドウなどでも見られるように完熟した果実によく見られる自然現象なので、付いていた方が良い物もあります。
重みですが、手に持った時、ずっしりと重みを感じるもの、柔らかすぎないものが良いです。
 

■柿の効能
 
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」ということわざをお聞きになったことはございますか。
柿は、甘くておいしいだけでなく、栄養価が非常に高く、健康食品として非常に優れています。このことわざは「柿が旬の時期は、お医者様要らずになってお医者様は困ってしまうね」との意味ですが、このようにいわれるほどの栄養価が、柿にはあるのです。

まず、際立って多く含まれているのが、ビタミンCです。どれほど多いのかと申しますと、柿1個で1日の必要量をほぼまかなえてしまうほどです。
ビタミンCは、風邪予防に効果絶大なのは言及するまでもありませんが、現代人の抱える大きな悩みといえるストレスの軽減にも大きな効果があります。
さらに、ビタミンCとタンニンは、血液中のアルコール分を外へ排出し、副腎機能低下を防止してくれるので、二日酔いにも効果的です。
女性に嬉しいのは、ビタミンCには、抗酸化作用があることに加え、メラニン色素沈着を予防する美白効果やコラーゲンの合成を助け、シワ予防や肌の張りなどに大活躍してくれます。肌の細胞劣化を防いでくれることもあり、美肌作りに欠かせません。
柿が近年、美容の分野でも注目を集めているのは、こうしたビタミンCの効果に加え、柿が含んでいる他の成分も、ビタミンCの効果を高めることが解っているからです。
また、干し柿も、甘みだけでなく、栄養成分も濃縮されることから、より栄養補給源として優れた存在になると注目されています。
干し柿にすると、食物繊維(特に水溶性食物繊維)が生柿より多くなるので、便秘の解消や腸内環境の改善が期待ですます。
 

このようにいいことばかりの柿ですが、食べ過ぎは、やはりよくありません。
柿は、体を冷やす食べ物とされており、食べ過ぎると体の冷えや下痢などを起こす可能性があります。
またタンニンは、悪い側面として、鉄分の吸収を阻害してしまう可能性があります。
干し柿も、同様に、干し柿にすることで水分が抜けて栄養価が凝縮される一方で、ビタミンCの大半が失われてしまいますし、カロリーや糖質の含有量もかなり高くなります。
 
柿は、デザートとしてだけでなく、様々なお料理に活用され、食卓を豊かに彩ってくれます。白和え、サラダ、マリネに、意外なところでは、ブルーチーズとの相性も大変良いのですよ。美味しく適量を召し上がって、是非季節を感じながら、健康に役立ててみて下さい。