【四季折々】端午の節句について【しげよし】

2020/04/30

5月5日は端午の節句。
今回は端午の節句についてのコラムです。

■「端午の節句」が定着したのは江戸時代


「こどもの日」として知られている5月5日は、五節句で「端午(たんご)の節句」にあたります。田植えの時期でもあるこの時期、稲の豊作をお祈りするため、中国から伝わり魔よけの効果があるとされる菖蒲で健康を祝う風習が結びつき、「端午(たんご)の節句」となったと言われています。

「端午(たんご)の節句」は、男の子のすこやかな成長を祝うための節句」として知られていますが、日本でこの風習が始まったのは、江戸時代。

江戸時代は、勢力の中心が「貴族」から「武家」へと移り、「菖蒲(しょうぶ)」の音が、武を重んじる「尚武(しょうぶ)」と同じであることから、「端午の節句」=「尚武(しょうぶ)の節句」として、武家の間で祝うようになり、男の子のための節句として定着していきました。

■こいのぼりや五月人形を飾るのは、4月中旬から5月上旬


端午の節句といえば、思い浮かぶのが、こいのぼり。中国の故事、龍門という滝を昇った鯉が龍となった伝説・登竜門の話にちなむといわれ、立身出世と象徴となったことから、端午の節句にはこいのぼりを掲げ、すこやかな成長を願うようになりました。

五月人形を飾るようになったのは、武家社会から生まれた風習。鎧やかぶとで「体を守る」=「交通事故や病気から守る」という願いをこめてうまれました。

こいのぼりや五月人形を飾る時期に、正式な決まりはありませんが、一般的には4月の中旬くらいから、5月の連休明けくらいまで。しまうのが遅れてしまうと梅雨に入ってしまい、湿気を含んでしまこともありますので、梅雨に入る前、天気のよい日に片付けましょう。

■ちまきや柏もちを食べる理由



男の子が生まれて最初に迎える節句を「初節句」といい、家族でお祝いするのが一般的です。
大人はお赤飯やお寿司を食べたり、宅配でお祝い膳を頼んだり。
子どもは五月人形の前で家族写真を撮るなど、「子どもの成長を祝うイベント」として知られています。

お祝いの席には、ちまきや柏もちも欠かせません。

ちまきは、端午の節句行事とともに中国から伝わったお菓子。難を避ける厄払いの力があるとされ、茅(ちがや)の葉でもち米を包んでいたため「ちがやまき」と呼ばれていたのが短くなって、「ちまき」と呼ばれるようになったそう。

柏もちは、柏の木の葉は「新芽が出るまで古い葉が落ちない」という特性から「子孫繁栄」に結びつき、縁起のいい食べ物として江戸時代から端午の節句にふるまわれるようになりました。

こいのぼり、五月人形、ちまきに柏もち。
端午の節句には、家族みんなで男の子のすこやかな成長をお祝いしましょう!