【四季折々】菖蒲について【しげよし】

2020/05/21

■菖蒲(しょうぶ)の正式名称は、「花菖蒲」(はなしょうぶ)


※花菖蒲

5月後半から7月くらい、梅雨の時期にひときわ華やかに咲き誇る菖蒲(しょうぶ)。正式名称は、花菖蒲(はなしょうぶ)といい、アヤメ科に属します。
菖蒲というと、端午の節句(子どもの日)の菖蒲湯や菖蒲酒が思い浮かびますが、こちらの菖蒲はサトイモ科のショウブ。菖蒲の葉と形が似ていたため「花菖蒲」という名前がつきました。

見た目にも美しい花菖蒲が各地で栽培されるようになり、「しょうぶ」=「花菖蒲」というイメージが定着したのです。

この時期、全国の観光地で「花菖蒲まつり」が開催されます。広い敷地に色鮮やかな花菖蒲が咲き、訪れた人の目を楽しませてくれます。
今年は新型コロナウルス感染症拡大防止のため、見頃の花菖蒲が見られないかもしれませんが、
来シーズンの開花が早くも待ち遠しいですね。

■花菖蒲、あやめ、かきつばたの違い


※あやめ

花菖蒲は、あやめ、かきつばたと間違えられやすい花でもあります。
「いずれ あやめか かきつばた」ということわざがあるくらい、この3つの花は良く似た美しい花で、区別するのが難しいとされています。

どれもアヤメ科に属する花ですが、それぞれ違いがあります。
花の形状と背丈
花菖蒲の花は大輪で、背丈は60〜100cm、あやめの花は小輪で、背丈は30〜50cm、かきつばたの花は駐輪で、背丈は30〜90cm。花も背丈もいちばん大きいのが花菖蒲、いちばん小さいのがあやめになります。

自生場所
花菖蒲は湿地や湿原に生えていて、しょうぶ園に見学に行くと水が張られて池のようになっているのはそのためです。あやめは草原や乾燥地で育ち、湿地ではあまり咲きません。かきつばたは、池や沼などの近くや湿地に自生します。

■「花の形」で違いを見分けよう



※かきつばた

花菖蒲、あやめ、かきつばたは、「花の形や色」で見分けることができます。
・ 花菖蒲の花の形、色→花の根元が黄色になっている。紫をはじめさまざまな色がある。
・ あやめの花の形や色→外側の花弁に網状のもようがある。色は紫が多いが白もある
・ かきつばた→外側の花弁の中心部に白い筋がある。色はやや濃いめの紫

いずれも、この時期に美しい花を咲かせます。観光地には足を運べなくても、近くの公園や道端で見かけるかもしれません。花の形や色に注目して、違いをみつけながら楽しみましょう。