【四季折々】春分の日について【しげよし】

2022/03/13

■昼と夜の長さがほぼ同じ「春分の日」。2022年は3月21日



3月の祝日といえば、「春分の日」が知られています。
春分の日は、1948年に祝日法によって制定された国民の祝日のひとつ。冬から春にか
けて昼間の時間が長くなり、昼と夜の長さがほぼ同じになる日で「自然をたたえ、生物をいつくしむための日」とされています。

毎年3月20日〜21日ごろのいずれか1日とされており、2022年の春分の日は、3月21日となっています。

春分の日は、もともとは、旧法にあった「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」から改称されたと考えられています。
春季皇霊祭は、現在でも行われている宮中祭祀の一つ。毎年2回、春分の日と秋分の日(秋季皇霊祭)に斎行される大祭で、皇族の方々も出席することが多く、注目されています。

伊勢神宮をはじめ地域の各神社でも「春分祭」を行うことが多く、日本人にとって大切な日であることがわかります。

■「春彼岸」の由来とお供え物とは?



春分の日の3日前から7日間を「春彼岸」とよび、先祖のお墓参りをする風習があります。

「彼岸」とは、西の方角にあり、「煩悩を脱して悟りの境地に達した者が向かう場所」を指す仏教用語。この世の修行を終えた先祖が暮らす世界とされ、「あの世」とも表現されます。

昔の人は、お彼岸には、「この世」と「あの世」が近くなると考えたことから、この時期にご先祖様を供養するようになったと言われています。

仏教の各宗派では、この時期に、「春季彼岸会(しゅんきひがんえ)」とよばれるお彼岸の法要が開かれることも多いものです。

春彼岸のお供え物として知られている食べ物といえば、ぼたもち。春の花として親しまれている「ぼたん」に見たてて名付けられたといわれています。赤い色をした小豆は
「魔除け」の意味合いもあり、災難から身を守れるようお祈りしました。

■春分の日にちなんだ料理とは? この時期に食べたい旬の味



春のお彼岸でもある春分の日にいただく食べ物として知られているのが、精進料理。精進料理は、仏教の戒律である「不殺生戒」に基づき、肉や魚介類を使いません。
穀物、野菜、豆類などの食材だけでつくる料理を食すことで、修行の一環となるといわれています。

そのほか、この時期に食べたいものを紹介します。

・はっさく  夏みかんと良く似たあまずっぱさが特徴。ビタミンCやカリウムを豊富
       に含むヘルシーフルーツです。

・真鯛    お祝いごとの席で、良く食卓に上がります。桜が咲く時期に採れる鯛は
       「桜鯛」とよばれ、珍重されます。

・桜餅    関東風の「長命寺」、関西風の「道明寺」の2種類あり、それぞれ異な
       る味わいを楽しむことができます。

ご先祖様を想いながら、この時期ならではの食べ物を食し、春を感じてみてはいかかでしょう。