【食材のこだわり】メロンについて【しげよし】

2022/07/31

■品のある甘い香りが魅力のメロンは今が旬



6月から8月にかけてが旬の時期といわれているメロン。昔から贈答品としても多く利用され、高価で特別なイメージがありますが、現在では品種改良により種類も増え、てごろな価格のものもあります。

ちなみに、「高級メロン」の代名詞といえば、「マスクメロン」。「アールス・フェボリット」など芳香の強いヨーロッパ系メロンの総称で、皮の網目が特徴的。品のある甘い香りが魅力です。
ちなみに、温室マスクメロンはひとつの苗にひとつの果実しかつけません。これは、たくさん果実を残すと大きく甘くならないためです。生産効率が悪いため高価ですが、それだけの価値がある芳醇な香りと風味です。

そのほか、糖度が16度前後とマスクメロンにひけをとらない「肥後グリーン」、コクのある甘みが感じられる「タカミ」、小ぶりでてごろな「アンデス」、昭和40年代まではもっとも多く流通していた「プリンス」など、さまざまな種類があります。

国内におけるメロンの生産量ベスト3は、1位が茨城県、2位が熊本県、3位が北海道となります。なかでも茨城県鉾田(ほこた)市は、メロンの生産が盛んな街として知られています。

■メロンは、中央部分のタネの周りがいちばん甘い



メロンには、ビタミンCやカリウム、たんぱく質分解酵素といった栄養成分が含まれています。なかでもカリウムが豊富なため、余分な水分を排出し、高血圧や肥満防止に有効と考えられています。

メロンに含まれるたんぱく質分解酵素は「ククミシン」と呼ばれるもので、固いお肉を柔らかく焼き上げる際に役立ちます。
ちなみに、酵素は加熱すると効果が失われてしまうので、生のメロンをミキサーにかけた漬け汁に、固くなりやすい肉を漬けてから焼くと柔らかくジューシーなお肉に仕上がります。

メロンは、食べる2時間くらい前に冷蔵庫に入れ、冷やした状態で食べましょう。
中央部分のタネの周りがいちばん甘いといわれています。

また、メロンの栄養素は、果肉部分だけでなく、ワタの部分にも多く含まれています。ヨーグルトなどにのせていただくとよいでしょう。

■知ってる? 生ハムとメロン。不思議な組み合わせの理由



オードブルとして「生ハムメロン」がよく知られていますが、「生ハム」と「メロン」という不思議な組み合わせはどのように生まれたのでしょうか。

「生ハムメロン」はもともとイタリアで生まれたのですが、当時のメロンは糖度が低く、甘さが少ないのに加え青臭さもあったそう。
糖度の低さや青臭さを解消するための手段として、メロンの上に生ハムをのせていっしょに食べるようになったと言われています。

生ハムメロンは、メロンに含まれるカロチンと、生ハムに多く含まれるビタミンB1は、疲労回復・夏バテの防止にとても効果があります。
また、メロンに含まれるカリウムを同時に摂取することで、生ハムで取りすぎた塩分を体外に出してくれる働きが期待できるとも言われています。

今が旬のメロン。いろんな食べ方を楽しみたいですね!