【四季折々】ゆず・冬至について【しげよし】

2023/12/20

■「香酸かんきつ類」のひとつ・ゆず。薬味や風味づけに



冬至が近づくこの季節に旬をむかえるゆず。
かんきつ類の中でも酸味が強く、生食には不向きですが、薬味や風味づけに利用するものを「香酸かんきつ類」とよび、ゆずのほか、レモン、ライムなどもこの仲間に入ります。多くは果汁をしぼってジュースにしたり、調味料として使ったりします。

ゆずの原産地は、中国。日本において、ゆずがいちばん生産されている都道府県は、高知県です。ついで生産量が多いのは、徳島県、愛媛県です。これらの土地は、日照時間が長く、穏やかな気温なので、ゆずが育つのに最適な環境が整っているという特徴があります。種がない「多田錦」が人気です。

スーパーなどで新鮮なゆずを選ぶときは、
・軸の切り口が枯れていないかどうか
・きれいな円形で皮に厚みがあるかどうか
以上をチェックしましょう。

ゆずは、クエン酸が豊富で風邪予防、疲労回復に効果的。カリウム、ビタミンCも多く含まれています。

■ゆず、かぼす、すだちの違いは?



ゆずと良く似た香酸かんきつ類に、かぼす、すだちがあります。

ここでは、ゆず、かぼす、すだちの違いについて解説します。

・大きさ
大きい方から順に、かぼす、ゆず、すだち。 かぼすはテニスボール、すだちはゴルフボールほど、ゆずはその中間くらいの大きさとなっています。

・果肉
かぼすの果肉は赤みのある黄色、すだちは黄緑がかった色をしています。ゆずは種が多く果肉の量が少なめで、かぼすとすだちの中間くらいの薄い黄色です。

・味
かぼすは甘みと酸味の調和がとれた柔らかな味わい、ゆずはほかの2種より糖度が高いものの、青いうちは酸味と苦みも強く、複雑な味わい、すだちは苦みが少なく、どんな食材にも合う味わいです。

・香り
かぼすの香りは上品で、白身の焼魚など繊細な味の料理に合わせても、素材の風味を損ないません。ゆずの皮には「ユズノン」と呼ばれる特有の香り成分が含まれているため、料理の香りづけよく使われています。すだちは、爽やかな香りをしっかりまとわせてくれるため、松茸やサンマなど強い香りの食材ともよく合います。

■12月22日の冬至の日は、ゆず湯につかって開運を祈ろう



「冬至にゆず湯に入ると、風邪をひかずに冬を越せる」といわれています。
ゆずの皮には香り成分である精油やリモネン、肌に良いビタミンCがたくさん含まれています。お風呂にゆずを入れると、それらの効果で血行が促進され体を温めてくれますし、乾燥しがちな冬の肌対策にもなります。寒い冬を越すためにも、ゆず湯が効果的なのです。

また、香り成分は揮発性のため、お湯に入れるとさらに香りがたちます。柑橘系の爽やかな香りは、リラックス効果ももたらします。

2023年の冬至は12月22日。ゆず湯に入りながら「一陽来復」と唱えると、さらに運が上昇するといわれています。ゆったりお湯につかって開運を祈りましょう。