【食材のこだわり】昆布じめについて【しげよし】

2024/02/19

■昆布じめの発祥は富山県。その歴史をひもとくと・・・



昆布で食材をはさんで旨味と風味を引き出す伝統的な調理法として知られる「昆布じめ」。

昆布じめの発祥の起源は諸説ありますが、有力なのは、「江戸時代後期に富山湾で発展した」というものです。
当時は、日本海を行き来する海運船である「北前船」が北海道の積荷を運んでおり、「北前船」が富山県に寄港したことから北海道の良質な昆布が手に入りやすく、富山県では昆布を使った様々な料理が発展したといわれています。その一つが、昆布じめです。

昆布には水分を吸収する働きがあるため、昆布じめは、もともと魚の保存方法の一つとして考えられていました。お刺身になじませることで魚の水分が抑えられ、日持ちがよくなるのです。
しかし、昆布の旨味が魚に移ることで美味しさも増すことがわかり、料理としても楽しまれるようになりました。現在は富山県の郷土料理として広く知られるようになり、日本各地で味わえるようになっています。

■昆布じめのお刺身の美味しい食べ方



昆布じめのお刺身の作り方は、いたって簡単、新鮮な魚を刺し身におろし、昆布に並べてクルクル巻いてひと晩熟成させると、昆布の旨味がしっかり染み込みます。

昆布じめのお刺身は、そのまま何もつけずに食べるのがおすすめです。昆布の旨味とお刺身の甘味が口いっぱいに広がります。醤油を少しだけつけると刺身の味わいが引き立ちますし、大葉や生姜などの薬味を添えると、味に変化が出て飽きずに楽しめるでしょう。

昆布じめのお刺身は、お酒との相性も抜群。日本酒や白ワインがよく合います。
また、はがした昆布は細かく刻んで酢の物や野菜サラダの具としても使えます。
野菜のかき揚げ、煮物、鍋の出汁に使うのも良いでしょう。

■魚だけじゃない! “変わり種”昆布じめを紹介!



「昆布じめといえばお刺身」というイメージが強いですが、魚介以外の食材も昆布じめすることで美味しくいただけます。“変わり種”の昆布じめを紹介します。
⚫モッツァレラチーズの昆布じめ
昆布の上にスライスしたモッツアレラチーズをのせ、酒、塩少々足して昆布をかぶせ、一晩寝かせるだけでチーズの昆布じめの完成。食べるときに醤油を少しかけるとおいしさがますますアップ!

⚫豆腐の昆布じめ
1㎝程度の厚さに切った木綿豆腐に塩少々をふり、昆布をはさんで半日おけば、豆腐の昆布じめが完成。細かく切ったサーモンスライスやアボカドなどをトッピングすれば、おしゃれなおつまみになります。

⚫菜の花の昆布じめ
少し苦味のある葉野菜は、昆布じめとの相性ばっちり。ゆでて冷水にとった菜の花を昆布で巻いて冷蔵庫で一晩置けば出来上がり。

魚以外でもおいしく作れる昆布じめ。旨味たっぷりの風味を楽しんでみてください。