【四季折々】冬 懐石料理について【しげよし】

2024/03/27

■【連載企画】懐石料理の四季その4〜冬の懐石料理



懐石料理の四季、第4回は、冬の懐石料理です。
冬の懐石料理は、旬の食材を生かし、見た目が美しく、心も体も温まる料理が特徴です。

季節感を出すために、
雪景色や椿など冬の植物モチーフにした盛り付けが施される。
白磁の器や冬らしい色合いの器を用いる。
などの工夫が施されます。

冬の代表的な食材には、ぶり、あんこう、カキ、カニ、ふぐ、白菜、大根、里芋、ネギなどがあります。これらの食材は、冬の寒さに耐えて栄養を蓄えているため、旨味と栄養が豊富です。

冬の懐石料理は、これらの食材を使い、鍋料理や煮物などが中心となります。

■冬の懐石料理によく使われる献立例を紹介



冬の懐石料理では、前述した魚介類に加え、白菜、大根、ほうれん草、水菜などの冬野菜、ごぼう、にんじん、れんこんなどの根菜類も良く使われます。

冬の懐石料理で味わえる代表的な献立を紹介します。

・先付  あんこうのとも酢がけ、菜の花のおひたし、白和えなど
・八寸  数の子、たたきごぼう、紅白なます、伊達巻など
・向付  お刺身盛り合わせ(寒ブリ、いか、ひらめなど)など
・椀物  みぞれ鍋、ふぐ雑炊、かに鍋など
・焼物  鰆の西京焼き、ぶりの照り焼きなど
・煮物  ぶり大根、筑前煮など
・御飯  鮭としめじの炊き込みご飯、かきと三つ葉の炊き込みご飯など
・香の物 白菜漬け、沢庵漬けなど
・水菓子 みかん、いちごなど

ちなみに、椀物の「みぞれ鍋」とは、大根おろしをたっぷり使った鍋料理です。大根おろしがみぞれ雪のように見えることから、みぞれ鍋という名前が付けられました。

大根おろしをたっぷり使ったみぞれ鍋は、あっさりした味わいでヘルシー。冬にぴったりの鍋料理として知られています。

■冬の懐石料理風レシピにチャレンジ!



冬の懐石料理風カンタンレシピ「大根の柚子味噌田楽」を紹介します。

(材料/4人分)
・大根 1/2本
・柚子 1個
・みそ 大さじ4
・砂糖 大さじ4
・出汁昆布 2枚
・水  適量

(作り方)

大根の皮をむき、半分にして面取りする。

鍋に昆布を敷き、大根を上にのせて浸るくらいの水を入れ、弱火で煮る。

串が容易にささるようになったら煮終わり、残り湯を捨てる。

柚子味噌をつくる。(柚子の皮をむいて中身の汁を取り、みそ、砂糖、柚子汁を和える)

ゆずの皮を千切りにする。

大根を器に盛り、4をかけてゆずの千切りをのせて出来上がり。

冬は、大根がおいしい季節です。懐石風の味わいで、大根の甘みを満喫しましょう!