【食材のこだわり】かぶについて【しげよし】

2025/03/30

■やわらかく甘みのある春のかぶ■




アブラナ科アブラナ属の野菜であるかぶ。
別名「すずな」とも呼ばれ春の七草のひとつとしても知られているだけでなく、「かぶら」や「かぶな」とも呼ばれています。

白いかぶが一般的に知られていますが、他にも赤色や黄色、紫色など、さまざまな色や形、大きさの品種があることが特徴です。土に隠れている根の部分だけでなく、葉も食べられます。

かぶは年間を通して店頭に並んでいますが、春のこの季節にとれるかぶは、真っ白できめが細かく、柔らかくてとてもジューシーな風味が特徴です。

春のかぶは生食に最適で、サラダや浅漬け、おろしなど、さまざまな料理に利用できます。煮物にしても柔らかく、口当たりが良いのが特徴。また、葉も栄養価が高く、さっと茹でて和え物や炒め物に使うと、栄養を逃さず楽しむことができます。


■かぶの煮くずれを防ぐ方法■




身がやわらかいかぶは、料理をするときに煮くずれしやすいのが悩みの種。

かぶの煮くずれを防ぐには、湯せんが効果的といわれています。水を入れて火にかけた鍋の中に、ひと周り小さいサイズの鍋やボウルにかぶと煮汁を入れて重ね、間接的に加熱する方法で調理すると、かぶを入れた小さいサイズの鍋やボウルの中では対流や気泡が発生しにくいため、煮くずれしにくくなるというわけです。

煮くずれを防ぐもうひとつのポイントは、温度が急にあがらないようにゆっくりと加熱すること。

かぶには、植物細胞同士をつなぎ合わせるセメントのような働きをしているペクチンが多く含まれています。このペクチンには、50〜60度の温度で細胞のつながりが強くなる傾向があります。加熱には、ゆっくり時間をかけるのがポイントです。


■かぶの葉のおいしい味わい方■




かぶは根も葉もおいしく食べられる野菜の一つ。かぶの葉は特に栄養価が高いので、捨てずに活用しましょう。

かぶの葉は、ちりめんじゃこなどと合わせたふりかけの他にも、漬物や炒め物、サラダ、煮物、汁物など何にでも使えます。
漬物も、葉も一緒に入れると彩り・食感ともに良くなります。シャキシャキ食感を活かすのであれば、生のままナムルにするのもおすすめです。茎の部分が硬くて食べにくい場合は、スープや炒め物など軽く加熱調理すると食べやすくなります。

かぶの葉は、サッと湯通しするとあくが抜けます。切り方は、繊維を断ってざく切りにしましょう。

蒸したり、漬けたり、炒めたりと、さまざまな調理法でおいしく味わうことができるかぶ。根や葉を余すところなく使いきって、その風味を存分に楽しみましょう!