【食材のこだわり】さわらについて【しげよし】

2025/04/16

■春が旬の魚・鰆(さわら)の名前の由来は?■




名前の漢字が表す通り、春の季節が旬の魚、鰆(さわら)。
スズキ目・サバ科に分類され、体長40cmから1mに成長する大型の魚です。春に産卵のため外界から瀬戸内海に入り込み、春に漁期を迎えることから「春を告げる魚」が字源となりました。

ところで、さわらの名前の由来はご存知ですか?

さわらの名前の由来は、江戸時代のまでさかのぼります。当時さわらに日本語の名前はなく、中国語で「馬鮫魚」と書いて「さわら」と読んでいました。

現代の「鰆」(さわら)に近づいたのは江戸時代で、本草学者として活動していた貝原益軒が自信の著書『大和本草』に、「狭い」「腹」の魚と紹介したことがきっかけだといわれています。

貝原益軒の紹介により「狭腹(さはら)」と呼ばれるようになり、少しずつ現代の鰆(さわら)へ移行したのではないかと考えられています。


■さわらと相性のよい食材■




成長につれて、「さごし」→「やなぎ」→「さわら」と名前が変わる出世魚としても知られるさわら。味にくせがないためどんな料理にも合いますが、以下、
栄養も美味しさも相乗効果が期待できる、さわらと相性のよい食材を紹介します。

・春菊
さわらに含まれているナイアシン・パントテン酸と春菊のβカロチンを一緒に取ることで、肌の老化防止と美容効果が期待できるといわれています。

・味噌
さわらを代表する調理法「西京漬け」は美味しいだけでなく、発酵食品である味噌の栄養も一緒に取ることができます。また、味噌に漬けることによって、くずれやすい身がしまり食べやすくなります。

・ごぼう
ごぼうには、不溶性・水溶性食物繊維が豊富に含まれています。さわらと一緒に取ることでデトックス効果が期待できます。

・香草などハーブ類
さわらはくせのない白身魚のため、ハーブ類とも相性がよいです。パセリやバジルにはβ-カロテンをはじめとするビタミン、ミネラルが豊富で、身体の老化を防いだり、免疫力を高めたりする効果が期待されます。


■さわらが岡山県民に愛される理由■




瀬戸内海では「春を告げる魚」としておなじみのさわら。岡山県南エリアで刺身と言えばさわらのことをさすほど、地域に根差した代表的な魚として知られています。

岡山では、岡山県と香川県の間にある海域「備讃瀬戸(びさんせと)」が、さわらの一大産卵場であったことから、さわら料理が盛んでした。

特に、岡山県を代表する郷土料理「ばら寿司」との関係は非常に深く、当時はさわらをひたした酢を使って酢飯を作り、さわらのアラを煮た汁で酢飯に混ぜる根菜類を煮込んでいたそうです。

ばら寿司のトッピングの主役はもちろん、酢でしめたさわらの切り身!その他、魚や野菜をのせて彩りよく仕上げます。

ばら寿司は、さわらがなければ生まれなかった伝統料理で、現在では、お祭りやお祝い時のハレの日に食べる郷土寿司として県民から愛されています。

旬の味覚・さわらを味わいつくしましょう!