【四季折々】お盆について【しげよし】

2025/08/10

■2025年のお盆は、一般的には8月13日(火)から8月16日(土)




2025年の「月遅れの盆」は、8月13日(水)から8月16日(土)までの4日間です。この期間は一般的に、ご先祖様をお迎えし、供養する期間とされています。

これは、正式には「月遅れ盆(つきおくれぼん)」と呼ばれます。明治時代の改暦で旧暦から新暦に変わった際、農業の繁忙期と重ならないようにするため、1ヶ月遅らせて行われるようになった習慣です。

東京や横浜など大都市圏の一部では、新暦の7月15日を中心にお盆行事が行われたり、沖縄地方などでは今でも旧暦の7月13日から15日にかけてお盆が行われます。

このように、地域によってお盆の時期が異なるため、帰省の際は確認が必要です。


■現代のお盆の過ごし方




日本の伝統行事であるお盆は、ご先祖様の霊を迎え、供養し、見送る大切な期間です。近年、家族の形やライフスタイルの変化に伴い、その過ごし方も多様化しています。

・帰省と旅行
お盆休みに実家へ帰省し、お墓参りや法要を行うだけでなく、旅行を楽しむ人も増えています。涼しい避暑地や温泉地で、家族と夏の思い出を作ったり、日頃の疲れを癒したりする過ごし方です。

・オンラインでの供養:
遠方に住んでいたり、仕事で帰省が難しかったりする場合でも、ビデオ通話を利用した「オンライン帰省」で家族と一緒に法要やお墓参りができます。また、オンライン上で供養できるサービスやデジタルのお墓も登場しています。

・思い出を振り返る:
故人が好きだった場所を訪れたり、思い出の料理を作ったりすることも、故人を偲ぶ立派な供養の形です。故人の生前の想いを引き継ぐために、ボランティア活動や寄付を行う人もいます。


■お盆の時期の花火大会の意味




お盆の時期に行われる花火大会には、現代の華やかな娯楽という側面だけでなく、深い歴史と伝統的な意味合いが込められています。その主な意味合いは、以下の3つに分けられます。

・故人の魂を供養する「鎮魂」の意味
花火が日本に伝わった当初から、花火には亡くなった人の魂を鎮める「鎮魂(ちんこん)」の意味があるとされていました。特に、災害や飢饉で多くの人々が亡くなった際、その慰霊と悪霊退散を祈願するために花火が打ち上げられることがありました。現在でも、特定の地域では、戦没者や災害の犠牲者を供養する目的で花火大会が開催されています。

・ご先祖様を見送る「送り火」の意味
お盆の最終日には、この世に帰ってきたご先祖様の霊が、再びあの世へ戻るための道しるべとして「送り火」を焚く風習があります。京都の五山送り火(大文字焼き)はその代表例です。花火大会は、この送り火の風習が大規模になったものだと考えられています。

・病魔や災厄を払う「厄払い」の意味
花火の大きな音や光には、邪気や悪霊を追い払う力があると信じられていました。特に、病気が流行する夏の時期に花火を打ち上げることで、災厄を払い、人々の健康を願うという目的もありました。

このように、お盆の時期に行われる花火大会は、単なる夏の風物詩としてだけでなく、亡くなった人々への供養、ご先祖様への感謝、そして人々の無病息災を願う、といった深い意味が込められた行事なのです。
今年のお盆は、どのように過ごしますか?