■今が旬のしそ。大葉との違いは?

しその旬は6月から10月頃で、特に夏が最盛期です。
ハウス栽培により年間を通して手に入りやすくなっていますが、露地栽培のものは、夏が旬です。
ところで、「しそ」と「大葉」は見た目がよく似ていますが、同じものなのでしょうか。
「しそ」と「大葉」は、同じ植物の呼び方ですが、厳密には指す範囲が異なります。しそ(紫蘇)は、植物全体の総称です。主に梅干しの色付けやジュース、漬物に使われる「赤じそ」も「しそ」の一種です。
これに対し、大葉(おおば)は、「青じそ」の葉の部分を指す言葉です。主に料理の薬味や天ぷらの材料など、葉そのものを食べる際に使われます。「青じそ」の若い葉を商品として流通させる際に、他の部位と区別するために「大葉」という名称が使われるようになったと言われています。
つまり、「大葉はしそ(青じそ)の一部」という関係になります。スーパーなどで「大葉」として売られているものは、一般的に「青じその葉」のことを指しています。
■しその香り成分とは?

しその独特な香りは、「ペリルアルデヒド」という成分によるものです。ペリルアルデヒドには、以下のような効果があると言われています。
・食欲増進効果
ペリルアルデヒドの香りを嗅ぐと、脳の嗅覚中枢が刺激され、食欲を増進させる効果が期待できます。特に夏バテで食欲が落ちやすい時期に、薬味としてしそを添えることで、さっぱりと食事を楽しめるようになります。
・ すぐれた防腐・抗菌作用
ペリルアルデヒドには、食品の腐敗の原因となる微生物の増殖を抑える働きがあります。このため、お寿司や刺身に添えられているのは単なる彩りではありません。魚介類の鮮度を保ち、食中毒を予防する目的があ流のです。
・免疫を整える効果
アレルギーの原因物質であるヒスタミンの分泌を抑制する効果も報告されています。花粉症などのアレルギー症状の緩和に役立つ可能性が期待されており、健康食品やサプリメントにも利用されています。
・心を落ち着かせる鎮静作用
ペリルアルデヒドには、神経の興奮を鎮め、心を落ち着かせる効果も期待できます。
■しそにはこんなにたくさんの種類がある!

しそと一口に言っても、さまざまな種類があるのをご存知でしたか?大きくは「青じそ」と「赤じそ」に分けられますが、他にも用途や見た目が異なる仲間たちがいます。
・穂じそ しその花穂のこと。まだつぼみの状態のまま食べることが多く、お刺身のつまや天ぷらなどに使われます。独特の香りとプチプチとした食感が楽しめます。
・芽じそ しその双葉が開き、本葉が数枚出たばかりの若い芽のこと。こちらも主にお刺身のつまとして添えられ、繊細な香りと彩りを添えます。
・ちりめんじそ その名の通り、葉がちりめん状に縮れているのが特徴です。香りが非常に強く、梅干しや漬物を作る際によく使われます。
・かほりじそ 青じそよりも葉が厚く、香りが非常に強いのが特徴です。天ぷらにしたり、お刺身のつまとして使われたりすることがあります。
・荏胡麻(えごま)シソ科の植物で、紫蘇とは厳密には別の種類ですが、見た目がよく似ています。葉は食用に、種子から採れる油は健康に良いとされ、近年注目を集めています。
食卓を豊かに彩るしそ。それぞれの特徴を知って、日々の料理に活用しましょう。