【四季折々】お中元について【しげよし】

2020/07/21

■古代中国で始まった神へのお供えが起源



日頃お世話になっている方に、感謝の気持を込めて御礼の品を贈る「お中元」。
お中元やお歳暮と言えば、デパートの特設売り場や、通販カタログ、郵便局のチラシなどで注文するのが一般的でしたが、インターネットの普及により、その様相もだいぶ様変わりしています。

そもそも、お中元とはどこで、どのようにして始まったものなのでしょうか。

お中元の起源は、およそ1,500年前、中国の道教の祭日である三元の中のひとつ、「中元」に端を発すると言われています。中国では、中元の日に神様にお供え物をした人は罪を赦されると信じられてきました。

この行事が室町時代に日本に伝わり、江戸時代に入ってからは庶民の間にも広まり、盆供とともに商い先や世話になった人に贈り物をするようになったことが、現代の「お中元」の原型と言われています。

■贈りたい人に好きなものを贈る“カジュアルなお中元”も


とはいうものの、時代の変化とともに、お中元の常識やトレンドも少しずつ様変わりしていきます。

ひと昔前は、お中元と言えば洋酒や缶詰、ビールなど、保存性に優れ、かつかさばる商品がもてはやされました。しかし、近年はインターネットの普及によって商品の多様化が進み、例えば名古屋に住んでいても北海道の海鮮ギフトを鹿児島に送り届ける、といったことも可能になりました。若い世代の間では、のしをつけずに洋菓子や季節限定商品など、手軽に相手の好きなものを贈る、といったカジュアル化も進んでいるようです。

また、近年企業などでは、形ばかりで心のこもっていない、いわゆる「虚礼」はやめようという動きが活発になり、お中元そのものが見直されてきています。

■お中元を贈る時期は関東と関西で異なる


中国から伝わった中元(旧暦7月15日)は、現代の暦では8月中旬になります。

一般に、関西では「旧暦」にあわせて季節の行事を催すことことから、お中元も旧暦7月15日前後(新暦で7月下旬〜8月15日頃の間)に贈る習慣があります。対して、関東ではお盆・お中元とも新暦で行う地域が多いため、7月初旬〜15日頃がお中元の時期とされています。

この他にも、お中元の時期は地域によって微妙に異なるので、相手に失礼にならないよう、事前にお住まいの地域のお中元シーズンを調べておくとよいでしょう。