【四季折々】お盆について【しげよし】

2023/08/07

■2023年のお盆休み期間は8月13日から16日



お盆は、日本における伝統的な行事です。旧暦の7月15日を中心に4日間行われ、祖先の霊を迎えて供養し、送り出すものです。

お盆の由来は、中国の伝説にある「盂蘭盆会(うらぼんえ)」にさかのぼります。盂蘭盆会は、お釈迦様の弟子である目連尊者が、母親が地獄で苦しんでいることを知り、お釈迦様に救ってもらったという話です。お釈迦様は、目連尊者に、盂蘭盆会を開いて母親に供養するよう教えました。

日本では、盂蘭盆会が伝来し独自の風習が生まれました。お盆には、お墓参りや法要を行うほか精霊棚を飾り、盆踊りや花火大会などが行われます。

毎年、新暦の8月13日(迎え火=盆の入り)から8月16日(送り火=盆明け)までの4日間を「月遅れの盆(月遅れ盆)」と呼びます。お盆そのものの日程は地域により違いがありますが、お盆休みはこの「月遅れの盆」の時期に合わせて取得するのが全国的に通例となっています。

■お盆に食べる定番料理は?



お盆に食べた方が良いとされる料理に明確な決まりはなく、地域によっても異なりますが、さまざまな地域でお盆に食べられている定番料理を紹介します。

・おはぎ
おはぎに使われている小豆には、魔除けの効果があると信じられていました。そのため、ご先祖様が帰ってくる時の助けになるとして、昔からお盆にはおはぎを食べたりお供えしたりしている地域が多いようです。

・お団子
お団子は、ご先祖様にお供えして下げた後に再加熱し、家族の好きな味付けを施していただくという風習があります。

・天ぷら
山の幸が豊富な長野県では、お盆に野菜中心の天ぷらを食べるのが定番です。
野菜だけでなく、お饅頭に衣をつけて揚げた天ぷら饅頭も、お盆によく食べられています。

・そうめん
昔は上級品として扱われていたそうめん。そのため、そうめんは特別な時期であるお盆に食べるという風習があり、現代にそのまま受け継がれています。

・精進料理
精進料理とは、「殺生を禁ずる」という意味から、肉や魚、卵を使わずに質素な食材だけで作る料理をさします。現代ではお盆に精進料理を食べる家庭が減ってきています。

■お盆の時期にしてはいけないことは?



お盆中は、釣りや虫取りなど生き物の命を奪うことにつながる娯楽はしてはいけないと言われています。また、死者の魂は現世に戻ってくる際にあらゆる生き物に姿を変えてやってくるため、どんな生き物も粗末に扱ってはいけない(=食べてはいけない)といった考え方もあります。

さらに、「海や川など水辺に近づいてはいけない」「入籍などお祝い事は避ける」「バラやサボテンなどトゲのある花は飾らない」などの言い伝えもあります。

お盆の風習は地域により異なりますが、この時期だからこそ、可能な方法でご先祖様への感謝を伝えましょう。