【食材のこだわり】ピーマン、パプリカについて【しげよし】

2023/08/14

■夏野菜の王様・ピーマンは、ビタミンCがたっぷり!



野菜炒めや肉詰め、青椒肉絲などさまざまな料理に使用できるピーマン。高温多湿な気候を好み、病気や害虫にも強い頑丈な夏野菜のひとつです。ナスと同様、秋まで楽しめる点も魅力の1つと言えるでしょう。

ほろ苦い風味で好き嫌いが分かれるピーマンですが、ビタミンCの含有量は、野菜のなかでもトップクラス。ビタミンCは熱に弱いといわれますが、ピーマンのビタミンCは加熱してもそこなわれにくいのが特徴。炒め物や天ぷらなど油を使った調理により、カロテンの吸収率もアップし、毎日積極的に食べたい夏野菜です。

ピーマンの生産量ランキングベスト5は、上から茨城県、宮崎県、高知県、鹿児島県、
岩手県で、この5県で全国の出荷量の約7割を占め、このほかにも北海道、大分県などで生産されています。

■青ピーマンと赤ピーマンの違いは?



一般的に「ピーマン」とよばれているのは、実が緑色のものですが、「青ピーマン」ともよばれています。

この青ピーマン、じつは、実がまだ熟していない状態です。実が熟してから収穫したものが、「赤ピーマン」なのです。ピーマンの緑色は葉緑素によるものですが、暑い日光にさらされているうちに葉緑素が減少し、それにかわってカロテノイドの一種である真っ赤な色をもったカプサンチンが生まれ、それが完熟して赤ピーマンができるというわけです。

ちなみに、青ピーマンから赤ピーマンに完熟するには7週間程度かかるといわれています。

栄養や食感も、青ピーマンと赤ピーマンでは違いがあります。
赤ピーマンは青ピーマンに比べ、ビタミンCは約2倍、ビタミンEは約5倍、カロテンは約2倍多く含んでおり、赤ピーマンのほうが栄養価が高いのです。また、 青ピーマンはシャキシャキとした食感がありますが、赤ピーマンはシャキシャキ感がありません。

同じ「ピーマン」なのに、収穫する時期によって見た目や栄養、食感が異なるのは興味深いですね。

■ピーマンとパプリカの違い、知ってる?



ところで、ピーマンを大ぶりにした形のパプリカは、ピーマンと同じナス科トウガラシ属に属するピーマンの「仲間」です。

赤、黄、オレンジ色など色味がカラフルで、1993年に輸入解禁となり、オランダ、メキシコ、韓国などから輸入されていますが、日本での生産も増えています。国内の主な生産地は、宮崎県、茨城県、熊本県などです。

パプリカは、ピーマンに比べて甘みがあり苦味が少ない風味が特徴です。
栄養素も豊富で、ビタミンは通常のピーマンの約2倍、カロテンは約7倍含まれます。パプリカなら、普通のピーマンの持つ独特な苦みが苦手な子どもたちにもおすすめ。いつもの料理をパプリカに変えれば、ピーマン嫌いも解消出来るかもしれません。

青ピーマンと赤ピーマン、ピーマンとパプリカの違いを知って、日々の献立に上手に取り入れましょう!