【食材のこだわり】太刀魚について【しげよし】

2023/08/21

■光沢のある銀色が特徴的な太刀魚。旬の時期は真夏



太刀魚(たちうお)は、スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する魚類です。世界中の温帯から熱帯の海に分布しており、日本近海では北海道から沖縄まで各地で漁獲されています。国内での主な産地は愛媛県、長崎県、和歌山県などで、西日本が多い傾向にあります。

太刀魚の特徴は、その名のとおり、太刀や刀のように細長くて平べったい形をしていること、そして体表がまるで金属のように光沢のある銀色をしていることにあります。体長は、大きいもので1,5mほど。
垂直に泳いだり、水平に泳いだりを繰り返すため、「立ち魚」から「タチウオ」と名付けられたという説もあります。

太刀魚の旬の季節は、夏から秋にかけての7月から10月頃。この時期に産卵期を迎えるため、群れで浅瀬に近づき、脂が乗って旨味が増します。中でも真夏に獲れる太刀魚がいちばんおいしいといわれています。

■体の表面が、輝くような銀色の太刀魚を選ぼう



太刀魚は、高たんぱくで良質な脂質を多く含む魚として知られています。
脂肪にはDHAが多く含まれ、これにより、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。オレイン酸も多いため、体内の酸化を防ぐ効果もあるといわれています。

また、太刀魚は、脂溶性ビタミンのビタミンA、D、Eも豊富です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨や歯を丈夫にする働きがあります。脂溶性ビタミンは加熱しても失われにくいため、焼いたり、揚げたりといった調理方法にも適しています。

お店で選ぶときは、表面の色合いをチェック。表面に傷がついているものは、漁獲するときにストレスがかかって味が落ちている場合がありますので、輝くような銀色をしており、触ってみて弾力のあるものが新鮮です。

■塩焼きをはじめ、味わい方いろいろ



太刀魚は塩焼きにするのが一般的ですが、新鮮なものは生でいただくこともできます。皮がとても薄いので、皮ごと刺身にすることができ、コリコリとした食感と独特の旨味を楽しむことができます。

そのほかのおすすめ調理法を紹介します。

・ムニエル
太刀魚はバターと相性がよいので、ムニエルにしても絶品。バターで脂を補いながら焼くとふっくらとした食感に仕上がります。

・煮付け
みりんや醤油・砂糖などを用いて、甘く煮付けてみましょう。白いご飯との相性抜群です。

・蒲焼き
甘辛のタレにからめて蒲焼きに。うなぎの蒲焼きとはひと味違う美味しさを味わえます。

・てんぷら、フライ
太刀魚を三枚におろしたものを、天ぷらやフライにするとふっくらとした食感に仕上げることができます。小ぶりのものなら、長いまま1本揚げにすることもできます。

そのおいしさと栄養価から、夏の味覚として人気の高い魚・太刀魚。ぜひ食卓で味わってみてください。