【食材のこだわり】里芋について【しげよし】

2021/11/30

■12月旬の里いも。独特のぬめりの成分は「ムチン」と「ガラクタン」

この時期になるとスーパーに多く出回るようになる里いも。里いもは、熱帯アジア原産のサトイモ科の多年生草本の茎の地下部分です。山里で一般的に栽培されているので、「山いも」に対して「里いも」と命名されたようです。

里いもの多くの品種は11月から12月に出荷されます。代表的な品種は「セレベス」、「八頭」で、「八頭」はおせち料理にも良く使われています。
里いもの生産地のベスト5は、上から埼玉県、千葉県、栃木県、愛媛県、宮崎県。1位の埼玉県では、所沢市、狭山市、川越市が主な産地として知られています。

里いもは、イモ類の中でも特にカロリーが低く、ヘルシーな野菜として知られています。独特のぬめりは、ムチンとガラクタンという水溶性食物繊維。ムチンは、胃の粘膜を保護して胃腸の機能を高め、ガラクタンには、腸の働きを活発にし、血糖値やコレステロール値の上昇を抑制する効果があるとされています。そのほか、食物繊維やカリウムも多く含まれ、むくみ解消や血圧低下に効果的な食材として知られています。

■里いものふきこぼれの原因は? 食塩水や酢水による下ゆでで解消

里にもの煮物を作っていて鍋からふきこぼれ、あわててしまうことはありませんか?
これは、前述したムチンやガラクタンといった粘質物が煮汁に溶け出すことにより起こるといわれています。

ムチンは里いも独特のなめらかな口当たりのもととなるため、おいしさのためにもできるだけ流出させないほうがよいのです。ムチンの流出をおさえるのに有効な方法は、食塩水や酢水を使って下ゆですること。

1%の食塩水や5%の酢水を使うとたんぱく質が凝固して粘りが出にくく、ふきこぼれをおさえることができるそうです。

下ゆでした里いもは、表面のでんぷんが糊化した状態になっています。水洗いしてぬめりととってから調理しましょう。

■【レシピ】里いもとイカの煮物

簡単にできる、里いもとイカの煮物のレシピを紹介します。

⚫️材料(4人分)
・ 里いも・・・12個
・ するめいか・・・2はい
・ だし汁・・・3カップ
(A)
・しょうゆ・・・大さじ2
・ みりん・・・大さじ4
・ 砂糖・・・大さじ2
・ 酒・・・大さじ2

⚫️作り方
1 イカはきれいに洗い、1cm幅の輪切りにする。足も適当な長さに切り分ける。
2 里いもはよく洗い、鍋で約10分下ゆでしてから皮をむき、さっと洗う。
3 フライパンにだし汁、Aを入れて煮立て、里いもを入れて中火で約15分煮る。いかを加えて3分ほど煮からめ、器に盛ってできあがり。

独特のねばりけで美味しさ倍増! 里いも料理で冬の味覚を楽しみましょう。